2015年07月10日

うのは間違いな

ファントムのことだろう。冗談であることは百も承知だが、あれだけの時間と労力に対する手当には安すぎる気がして、澪は思猴枣散わず苦笑を漏らしてしまう。もっとも、そもそも手当をもらう性質のものでないことは理解している。これで利益を得ているわけではなく、気取った言い方をすれば、絵画の尊厳を守るためのボランティアなのだ。
「普段ほったらかしのくせに、何でも金で解決できると思うなよ」
「ったく、いつまで拗ねてるんだよ。デートを邪魔したのは悪かったけどさ」
 大人げなくふてくされている悠人に、大地は呆れたように言い返す。澪としてはデートではなくただの初詣のつもりだったが、定義はさておき、邪魔されて拗ねているといいだろう。澪と悠人が二人きりで出かけることはそ貨運公司れほど多くないのだ。
「悠人、おまえ本当に澪と結婚するつもりなのか?」
「ああ、そのつもりだ。真剣に将来を考えている」
 ふいに大地が口にした問いかけを、悠人は狼狽えもせず真顔で肯定する。二人に挟まれた澪は、どうにもきまりが悪くて小さく身を竦めた。自分の結婚のことを、自分を挟んでだなんて−−と思うが、二人は気に掛ける様子もなく話を続ける。
「それなら、ちゃんとそのことを言いに来いよ。美咲にはこっそり報告してたみたいだけど、どうして僕には電話の一本も寄越さないんだ。父親だぞ? お父さん僕に娘さんをください幸せにします、って挨拶しに来るのが筋だと思うんだがね」
「都合のいいときだけ父親面牙醫介紹するな」
 悠人は前を向いたままピシャリと突っぱねた。
「ずっと家にも帰らずほったらかしにし
posted by jade at 17:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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